リバースモーゲージ

資金計画

リバースモーゲージとは

自宅を担保に貸付けを受ける仕組みです。年金、現金、預貯金などの金融資産を十分に保有していない高齢者世帯が、融資限度額が上限に、借入れをすることができます。

亡くなった後返済を行います。 今の生活を維持しながら自宅を手放さずに住み続けることができます。実施主体は自治体などと民間の銀行・信託銀行などがあります。

年金方式の貸付けと目的ごとの一括方式貸付けなどがあります。毎月の返済が、利用した分の利息だけである点も大きな特徴です。

高齢者がリバースモーゲージを利用する際の課題

1 高齢者本人が商品内容を十分理解できるだけの行為能力を備えているか?

・任意代理人や任意後見人の助力や推定相続人の同意などが考えられます。また推定相続人の同意を要件としている金融機関もあります。

2 貸付限度額や評価額見直しが必要となるが本人は身体的に対応できるか?

・契約内容などの見直しや極度額の年1回の見直しなどがある。返済などの対応が可能な推定相続人、代理人・後見人など支援者をたて継続的に支援をお願いする必要があります。

3 リバースモーゲージについて推定相続人への説明はできているか?

・借主の死後に遺族との間で紛争が生ずることを防止するためが推定相続人の同意をとる必要があります。親族の同意をすぐにとれなかったり、時間を要する場合もある。必要な資金を必要な時期に用意できない場合を想定し、検討当初から親族と資金計画、ライフプランなどを一緒に検討する必要があります。

4 担保不動産の価値が下落したときの影響について理解できているか?

・担保不動産の価値が下落すると貸出限度額が減少することとなる。貸付額の合計が貸出限度額(評価額の貸付割合)に達したときには、資金確保ができなくなります。ライフプランを10年先までは概算シュミレーションをしておくことが重要と考えられます。

5 貸付額の合計が貸出限度額に達したときの影響について理解できているか?

・貸付額の合計が貸出限度額(評価額の貸付割合)に達したときには、資金確保ができなくなります。自宅の所有権を手放す時期やリバースモーゲージ解除の時期など当初から検討しておく必要があります。途中判断能力がなくなる場合も多く、契約当初から任意後見契約、任意代理契約、見守り契約、死後事務委任契約などを結んでおく必要があります。

6 金利上昇したときの影響について理解できているか?

・変動金利による融資の場合が多いため、金利が上昇すると月々の支払い額が増えます。医療介護自己負担が年々増加するなかで、資金計画が圧迫される可能性がある。先が見通せないため短期(1年~3年)の住替えを準備しておくことが重要であると考えます。

要支援・要介護者による活用の具体的対策


1)専門家によるライフプランと住生活資金の検証
①要介護状態、認知症になる前、すなわち要支援レベルで利用ができないか確認する。
②利用する場合は、遺言や後見制度の活用も一緒に行う(借入金融先で遺言信託する条件あり)
③要介護1~2のステージに(判断能力があるうち)入った場合は、サ高住、有料、特定施設などへの住替えの計画準備を行う。
④介護度が上がる過程で、判断能力があるうちに、リバースモーゲージの解除、適正な価格での住まい売却、借入金の一括返済などのリスク対策を行う。

2)行政・社協・地域包括・地域施設・居住支援法人との連携
①生活保護者である介護認定者については、特養・有料・特定施設での生保枠の確認を行う。
②生活保護対象にならない低年金者については、住まい確保を優先的に進める。

3)法律専門家と連携
死後事務についての準備も行う。葬儀の形式・葬儀社・会館・規模などを決め葬儀代は確保する


要介護期に入る前に、ご自分の資産やご自宅について、家族、知人、関係者にお話しをして
有意義な老後のため有効に活用することも一つの方法です。